特許調査のための特許出願

新しい製品を開発したので市場に出したい。

はやる気持ちは分かりますが、その前にやっておくことがあります。

他人の特許権を侵害していないかどうかの調査です。

 

特許の調査は面倒だ、特許の調査はお金がかかる、という理由で特許調査をしない人を見受けます。

しかしこれはとても危険な行為です。

 

空いている土地に勝手に家を建てる人はいません。

空いている家に勝手に住む人はいません。

 

特許の世界も同じです。

すでに存在する他人の権利を勝手に犯していいはずがありません。

自分たちが世の中に出そうとする製品が他人の特許権を侵害していいはずがありません。

 

特許権を知らないことに過失がある

日本はビジネスを行う事業者に高度な注意義務を課しています。

特許法でも製品を製造販売する場合に、他人の特許権を侵害しないよう事業者に高度な注意義務を課しています。

 

製品を製造販売した場合に他人の特許権を侵害した場合、他人の特許権の存在を知っていようがいまいが、事業者に過失があるものと推定して、損害賠償の責を負わなければなりません(特許法103条)。

 

特許調査のための特許出願

特許調査はいくらやってもこれで十分ということがないと言われるほど調査範囲が広く、調査範囲を広げれば広げるほど費用がかさむという作業です。

資金が潤沢な企業以外は特許調査をしたくてもできないのが実情です。

 

実は特許調査を国に代行してもらうという方法があります。

特許庁に配属されている特許審査官は特許審査の一貫として特許調査を行います。

調査したい技術を特許出願すれば特許調査の対象になります。

 

特許のトラブルは必ず起こる

特許のトラブルを完全に回避できる方法があれば良いのですが残念ながらそのような方法はありません。

したがって特許のトラブルが必ず起こるという前提でリスクマネージメントを構築しておかねければなりません。

特許のトラブルに対するリスクマネージメントとは、特許のトラブルが起こる確率を低くすることと、特許のトラブルが起こったときの対応方法を用意しておくことです。

 

特許調査は特許のトラブルが起こる確率を低くする方法の一つです。

特許のトラブルは必ず起こるという前提で想定しておくべきことです。

仮に「想定外だった」という説明をしたとすれば、それは想定しておくべきだったのにしておかなかったということに過ぎません。

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