中国製造の「ブランド品」が世界に拡散している



 

日本で販売されている日本製品のほとんどが中国で製造されています.

中国で製造された「日本製品」は日本へ輸出され、また中国国内でも「日本製」として販売されています.

それにもかかわらず中国人が日本へ行って中国で製造された「日本製品」を買っています.

中国で買うより日本で買った方が安いという理由もあります.

しかし渡航費を考えれば決して合理的な購買ではありません.

 

偽物リスクが低い日本

日本で買うことにこだわる理由は偽物です.

日本には偽物がないという安心感です.

 

中国で偽物に遭遇しないことはまずありません.

通販サイトには偽物が溢れ、デパートでも正々堂々と偽物が販売されています.

悪意で偽物を販売しているだけではなく、偽物であることを知らずに販売している場合もあります.

いまや中国で買う限り偽物を買ってしまうリスクを避けて通ることはできません.

 

日本で買えば偽物を買ってしまうリスクを回避することができます.

しかし、すべての人が日本へ行けるわけではありません.

 

日本直送品が好まれる理由

日本直送品が好まれる理由は、日本で販売されている商品だから偽物の心配をする必要がないこと、関税が課せられるにせよ日本へ行く渡航費に比べれば安く日本製品を入手することができること、なのです.

 

中国の偽物事情を考えると、日本から中国の消費者へ商品を直送するという方法を検討しない訳にはいきません.

日本の企業が中国の消費者に商品を直送する方法は、これまで個人輸入に対して税率を軽減する簡易課税制度が適用されていました.

最近は中国人の個人輸入の利用が増えてきたために、税率を上げたり税関での開封率を上げて税関検査を厳格化しています.

しかし、偽物を買うリスクを回避したいという消費者の心理に変わりはありません.

中国の消費者が個人輸入を利用するケースはこれからも増えていきます.

 

還流偽物

ところがこのような個人輸入者の心理を利用して、中国で製造した模倣品を海外へ輸出して、再び中国国内に還流させるビジネスが生まれています.

 

中国で製造された模倣品の輸出経路をみるとヨーロッパが多いことがわかります.

ヨーロッパへの輸出が多い理由は、ヨーロッパがブランドの集積地であるからに他なりません.

 

ヨーロッパを訪れる観光客やヨーロッパから直接購入する個人輸入者をターゲットにブランド品と偽って中国製の模倣品を販売するビジネスが跡を絶ちません.

中国の消費者が真正品を求めてヨーロッパから直接購入したブランド品も実は中国製の模倣品である可能性が高いのです.

 

海外でブランド品を購入する消費者は中国人だけではありません.

日本人もまた海外で中国製の「ブランド品」を購入するリスクを避けて通ることはできません.

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