天井まで延びる書架と、書架に囲まれた小部屋という独特な内装デザインで有名な萬屋書店。
その内装デザインが意匠登録された。
日本第一号の内装デザインの意匠権の誕生である。
2020年4月1日の法改正と同時に出願して登録されたのは10月8日なので審査期間は約半年。
拒絶理由が通知されなければ半年で登録というのは特別早いというわけではない。
しかし日本第一号の内装意匠を登録するという広報効果もあるので、審査にはもう少し時間がかかると思っていたが予想以上に早い。
意匠は特許などの他の知的財産権に比べて登録率が高いことで知られているが、意匠を登録しようとする企業は意外と少ない。
今回は内装のデザインととともに建築のデザインも登録になったのだが、これからは建築・設計において意匠権の侵害という新たなトラブルに向き合わざるを得なくなる。
特に、デザイナーや建築士は個人ということもあり、侵害トラブルに巻き込まれて損害賠償ということになれば生活自体が破綻してしまう。
職業柄、リスク対策ばかりに目が向きがちなのだが、新たなサービスを提供してデザイナーの価値を上げることもできる。
毎月送られてくるパテントという機関紙をパラパラめくっていたら、こんなことが書いてあった。
「意匠公報には、施主が意匠権者として、設計事務所の設計士が創作者として掲載されるので、営業ツールとしても使える」
つまり設計図面を施主に納品するときに、意匠権も一緒にプレゼントするというサービスである。
設計図面を保存しておくひとはいなくても、意匠の登録証を記念に保存しておきたいという需要はあると思う。
16000円の出願料と8500円の登録料で自分の名前が入った特許庁長官のサイン入り登録証が貰えるのだから、これは良いサービスだ。
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